池の鯉
当社のビルは1987年に竣工しました。角地に建っていますが、この角の部分に滝と池が設けられています。幅3.6m、奥行1.1m、深さ0.4mの扇面形の小さな池で、約1.3tの水が入っています。地下のドライエリアにポンプと濾過槽が設置してあり、池の底から吸った水を濾過槽に通して滝に流す循環式ですが、週に1回濾過槽を逆洗する様にタイマー設定されています。
池には、現在8匹の鯉と7匹の金魚がいます。1966年に建った前のビルにも池があり鯉がいましたから、前のビルを解体して現在のビルを建設する工事期間1年半程を除いて、なんと35年以上鯉を飼っている事になります。
会社の通りは小学校の通学路になっています。自分の子供に鯉を見せながら「私も小さい時、毎日鯉を見るのを楽しみに通学していたのですよ」とうれしい事を言ってくれるお母さんやお父さんがいます。
前のビルを解体する時、鯉は神田川に放流しました。今いる鯉の内大きな6匹は、このビルが竣工した時に、本郷菊坂の吉田金魚から15cm程の当歳物を買ってきたのと、新潟から宅急便で取り寄せたものです。17年も経つと流石に大きくなり、今では60cm位になっています。池の大きさに比べて大きく成りすぎてストレスが溜まるのか、時々池から飛び出て傷だらけになりますが、生き延びています。暴れる60cm余りの鯉を池に戻すのは一仕事です。
多くの方から盗まれませんかと聞かれますが「逆に増えて困るんです」とお答えしています。実は、子どもが生まれる訳ではなく誰かが入れて行くのです。恐らく引越なさる方が魚を持っていくのは大変で、ここへ入れていくのだと思われます。また、小さな金魚が沢山入るのは、湯島天神のお祭りの時です。言うまでもなく金魚すくいのなれの果てですが、大きな鯉からすればご馳走で、またたくまに食べられてしまいます。
当社に来られる機会がお有りでしたら、応接間のウサギのコレクションと、この池の鯉は是非ご覧になって下さい。一目で見渡せる小さな池ですから、手を叩いて「出てこい、出てこい」と言わなくとも全ての鯉が見られます。

